こんにちは、作り手植田です。
皆さんいかがお過ごしでしょうか??
ゴールデンウィークもあっけなく過ぎ去り、ここ数日で急に暑くなっちゃいました。
まぁ、、、、、ですよね〜って感じです。
でも年々暑くなっていってるので、40代後半の体には応えます。
今日はそんな年齢にも似たウイスキーの “年数表記” について掘っていきましょう。
興味のある方もない方も、暇つぶしにでもなればと思います。
以前のブログ記事の”シングルモルトとブレンデッド”の冒頭で、ウイスキーボトルに貼ってあるラベルについてふれました。
色々見ていると、大きめの数字が書いてあるウイスキーがありますね。
これらの写真にはaged 12 years と、ありますねぇ〜。
一方でこれらは???
年数表記がありません。
このような年数表記の無いウイスキーをNAS(Non Age Statement)と位置付けられ、巷ではNA(ノンエイジ)やNV(ノンビンテージ)などと呼ばれています。
年数表記のあるウイスキーの中身は異なる定義付けをされているもので、aged 12 yearsはご想像の通り12年熟成されているモノです。
しかし本当の意味は、
最低12年モノ
という意味なんですね〜。 要するに、ウイスキーを作るのに使った最も若いウイスキーの年数を表記しなければならないという事なんです。
誰もが知るサントリーウイスキー山崎を例にあげてみます。
山崎には、NA(ノンエイジ)、12年、18年、25年がありますが、NAを除く年数表記のあるものは、その数字が使用された最も若いウイスキーなんです。
という事は!?
12年のウイスキーには、25年モノが少量でも入ってる可能性があるという事になるわけです。何か夢がありますね!
使用比率は公開されませんが、そのウイスキーのテイストを守り続けるために色んなウイスキーがブレンドされているんですね〜。
もしかしたら、 “あれ?今年の山崎12年は去年のより少し甘いような・・・”
みたいな粋な経験をされている方もいらっしゃるかもしれません。
やはり年代モノのウイスキーは味を保つのが難しいんですね。
その年の気候や気温、熟成している場所などの違いから、樽の中でどのような変化をとげるのかは100%計算できるわけではありません。
長期熟成をすれば必ず質が高まると決まっているわけではありませんし、更に言えば前回のブログ”貯蔵・熟成”の中でも触れましたが、樽の中の原酒は年間平均2〜3%ほど気化してしまうのでリスクが色々とあるんですね。
それに伴い、価格も高騰しやすく作れる量も少なくなってしまいます。供給量よりも需要が増えてしまうと、あっという間に原酒不足で終売みたいな事になりかねません。
それに比べて年数表記の無いNA(ノンエイジ)タイプのウイスキーはとても自由度が高く、質や味を細かく調節しやすいという利点があります。
更に供給量も価格も安定しています。まあ、原酒不足対策という側面もありますが。。。
年数表記がないからといって熟成していないというわけではありません。
ジャパニーズウイスキーの定義として3年以上の熟成期間という決まりがありますので、最低でもそれ以上熟成した様々な原酒が使われているということです。
このように年数表記のある物も無い物も、それぞれのメリットデメリットがあり、どちらも魅力的なものです。
簡単に言うと、どっちもうまいです。
さて今日は、どのウイスキーで乾杯しようかな。
展示会のお知らせです。
日時 5月18日(日)
場所 広島エールエールA館 6階 会議室 Room1
時間 10時~16時
予約は不要ですので、是非おこし下さい。
更に5月17日(土)、5月18日(日)
福岡の九大伊都 蔦屋書店、愛媛のいよてつ高島屋にも生田スタッフがお邪魔いたします。
こちらも是非おこし下さい。
よろしくお願い致します。
それではごきげんよう。