はい皆さんこんにちは、作り手の植田です。

朝晩はかなり涼しくなって過ごしやすいですが、やっぱり昼はまだ暑い。。。

万博も終焉を迎え、もしかしたらちょっと”ロス”みたいな気持ちになってしまってる方もいるのかな??

そんな今日この頃、皆様はいかがおすごしでしょうか??

今回もディープな話題、ウイスキーの樽について深掘りしていきましょう!
今日は長くなりますよ!! 皆さん御覚悟を。。

皆さん樽ってどんなものか想像出来るでしょうか?
・・・そうそう!木製のコロんとした形のやつです。


これ。

主にオーク(ナラ材)が使われています。
これまでにご紹介してきた様に、この中にウイスキーの原酒を入れて貯蔵熟成をするわけですが、この樽ってどのような歴史をたどって来たのでしょうか???
そして更に、樽で熟成をするという概念はどのようにして産まれたのでしょうか???
皆さん一緒に勉強していきましょう!
興味深過ぎて笑っちゃいますね。。。ハハハ

調べてみると、予想をはるかに超える紀元前から木樽が使われていたようなんです。 いつ今の形になったのかは不明ですが、少なくとも木造船がある頃からは、木を曲げて水を漏れないようにすることは出来たようです。
どうやら最初はお酒の熟成目的ではなく、あらゆる物資の保存・運搬用の容器として使用されていたみたいで、更にウイスキーに使用する以前より、ワインやブランデーの保存容器として既に木樽が使われていたようです。
これは、木樽が非常に丈夫で壊れにくく、1人でも転がして運搬でき、自然に密閉される構造を持つ事に加え、酒類の保存や輸送に最適でしたし、ガラス瓶や陶器よりも安かったからです。
じゃあこの保存・運搬用の容器が熟成に使われるようになったのはなぜでしょうか??

ウイスキーが作られるようになったのは15世紀頃にさかのぼります。
当時のウイスキーは蒸留したばかりの透明で刺激的な酒で、熟成という考え方はまだ存在していませんでした。
もともとウイスキーは、無色透明のまま飲まれてたのですが、樽に入れて輸送する際に一定期間置かれていたウイスキーは、時間とともにその性質を変えていきました。無色透明だった液体は琥珀色に変化し、荒々しかった味わいはまろやかになり、樽の木から移った甘い香りや風味を帯びるようになったのです。これが「熟成」という概念の始まりでした。
当初は偶然の発見に過ぎなかったかもしれませんが、その効果が知られるにつれて、木樽に寝かせるという工程は積極的に取り入れられるようになっていきました。

しかし、熟成の発見にはもうひとつの興味深い説があります。

これが本当であれば個人的に面白いなと思うんですが、それは「ウイスキーが木樽に“隠されていた”ことが熟成を知るきっかけだった」というものです。

18〜19世紀、スコットランドやアイルランドでは、政府による酒税が非常に高く、多くの人々が山間部などで密造ウイスキーを作っていました。こうした密造酒を税務官の目から隠すために、木樽に詰めて森の中や納屋の奥、地中などに隠していたと言われています。
つまり、木樽は運搬や保管だけでなく、「見つからないようにする手段」としても活用されていたのです。

そして、、、

いざ取り出して飲んでみたところ、、、

ん??

驚くことにウイスキーの味が変わっていたんです! 隠していた期間がそのまま「熟成期間」となり、より深くまろやかに、美味しくなっていたんですね!
この偶然の発見が、やがて「熟成」という工程の価値を人々に気づかせ、現在のような熟成技術へとつながっていった、というのです。

この説に明確な文書や証拠は残っていませんが、密造酒が広く行われていた歴史的背景や、実際にウイスキーを木樽で寝かせることで味が変わったことは事実ですし、このように意図していなかった熟成が、その後のウイスキー文化の礎になった可能性は十分にあると考えられています。

いや〜初めての人はさぞかし混乱したでしょうね〜。

このようにして熟成の歴史はスタートしました。
おそらく作り手は数々の失敗からより美味しくお酒を飲むための方法を模索したんだろうなと思います。
そして現在では従来の熟成に加え、複数の樽を使った“フィニッシュ”(熟成の最後の期間を別の樽に入れて違った風味を加えること)や温暖地での短期熟成なども行っており、樽の種類や熟成環境を積極的に活用し、風味設計を行うクリエイティブな工程へと進化をして、常に新しい技術と発想で多様なウイスキーが生み出されています。

今回はちょっと長くなっちゃいましたね。。。
もちろん木樽の木の種類とか、樽そのものの大きさの違いがウイスキーにもたらす影響の差であるとか、話し出せばまだまだ広がりますが、いい加減この辺にしておきます。

今週末のイベントのお知らせです。
10月18.19日
UUUU.fes(フォーユーフェス)
トンボ池公園

10月19日
生野祭り
巽公園

詳しくはHP、インスタをご覧ください

それでは皆さんごきげんよう。